ユ・スンホ(『花が咲けば、月を想い』)

INTERVIEW

『花が咲けば、月を想い』で4年ぶりに時代劇に帰ってきたユ・スンホ。本作で演じたのは、酒の密造を取り締まる堅物の監察官という役どころだ。イ・ヘリ扮するヒロインとコミカル&切ないロマンスも展開。生真面目な主人公が酒の密造をする両班の娘と出会い、変化していく姿を好演している。同世代の俳優たちが中心となり、現場でアイディアを出し合いながら制作を進めたそう。撮影の舞台裏や作品の見どころを語ってもらった。

さまざまな姿を見せたくて、思いきり演じました
この作品を見て、みなさんに元気になってほしい

『花が咲けば、月を想い』ナム・ヨン役
ユ・スンホ

 

―日本で『花が咲けば、月を想い』が放送される、今のお気持ちはいかがですか?

韓国で一度評価された作品が海外で放送されるということは、また新しい評価を得ることができる機会になりますが、うれしくもあり、少し不安でもあります。でも、みなさんに喜んでいただけると思っています。

―演じた役柄をご紹介ください。

ナム・ヨンという人物で、両班〔ヤンバン:朝鮮時代の支配階級の身分〕です。自分が正しいと思うことがはっきりしていて、ずっと書籍と両親の言葉にだけ従って生きてきた人だと思います。猪突猛進タイプですが、基本的に善良で、優しい性格です。

―時代劇や現代劇でさまざまな役を演じてきましたが、本作のナム・ヨンという人物は、どんなところに魅力があると思いますか?

ヨンが変化していく姿だと思います。世の中のことを文字だけで学んできた両班出身の彼が、ロソ(イ・ヘリ)という人物に出会い、愛という手段で、この世には法律や決められた規則よりも大切で、より大きな意味のあることが多いんだと悟っていきます。その変化していく過程がいいなと思いました。

―この作品に出演を決めたきっかけは?

まず、朝鮮時代の禁酒令を題材にしたドラマだということに興味をもちました。禁酒令をめぐる面白いエピソードがたくさんあっただろうと思いましたし、真面目なヨンと自由な性格のロソ、この2人がひょんなことから出会って起こるエピソードも楽しく、出演を決めました。

―見どころを教えてください。

ヨンとロソの関係が見どころだと思います。共通点がひとつもない、正反対の性格の2人です。また、お酒がテーマなので、お酒に関するエピソードもたくさんあります。昔も今も変わりませんね。お酒は気分を高揚させるし、時には毒にもなるというのも、見どころのひとつでしょう。

Photo: Daun Kim (STUDIO DAUN)

 

胸キュンの名シーンは…「撮影が大変でした(笑)」

―印象に残っている場面や台詞はありますか?

ロソとヨンが井戸に閉じ込められるシーンです。コミカルな要素もあって、互いが心を少し開くきっかけとなる場面だからです。ヨンがロソに「違法で酒を売ってまでして、なぜお金を稼ぐのか」と尋ね、ロソは「売らないにこしたことはないけれど、あなたにこのつらさはわからないでしょう」と答えます。生きるためにそこまでしているというロソの本心を聞いて、ヨンは大きな衝撃を受けるんです。ヨンがロソに対して心を開き、彼女のことを考えはじめるきっかけとなる場面です。もちろんほかにもたくさんありますが、ロソとヨンがつながる一歩のような場面なので、このシーンが好きです。

―ロソから口を塞がれるシーンが、胸キュンで、とても美しい映像でした。撮影時のエピソードなどありますか?

撮影場所が本当に狭いところだったんですよ。僕が笠子帽をかぶっていて、つばが顔の前まで出ているんです。台本によると、2人がぴったりくっついて、ときめかないといけないのですが、つばの広い笠子帽があるので……(笑)。きれいなシーンですが、舞台裏ではみんな縮こまっていたんですよ。僕はヘリさんと背を合わせるために脚を開いて立って背を低くしていて、ヘリさんのおでこにつばをぶつけて……。撮影は大変でした(笑)。

おてんばなロソ(イ・ヘリ)とのラブストーリーにも注目! Licensed by KBS Media Ltd. ⓒ2021 KBS. All rights reserved

 

みんなでアイディアを出し合った楽しい現場

―同世代の俳優が中心となって活躍するドラマでしたが、みなさんとの相性はいかがでしたか?

演出家さんから「指示はしないから、みんなでいいアイディアを出すように」と言われたんです。僕たちは表現したいことを全部、楽しんで思いきりやろうと決めました。もしダメなら、その場面は使われないだけですからね。そのおかげで、いい演技ができたと思いますし、面白かったです。

―イ・ヘリさんは制作発表でユ・スンホさんとはとても相性がよかったと話していましたね。

これ以上いい相性はないでしょうね。初めて会ったのに、数年来の知り合いのようでしたし。現場でも僕に足りない部分をヘリさんが補ってくれて、僕もより頑張ることができました。

―世子役のビョン・ウソクさんはどんな方でしょうか?

いい人だということが会ったらすぐにわかります。真面目なときは嘘のように表情が変わるんですが、僕を本気で笑わせようとすると、いたずらっ子みたいな顔をします(笑)。現場もそういう雰囲気が許されているからか、どうにかして僕を笑わせたかったみたいですね。僕は笑い上戸なので、そんなときはちょっと困りました(笑)。

―3人のコミカルなシーンも多かったですが、撮影の合間はどんな雰囲気でしたか?

ずっと笑っていた気がします。ヘリさんとウソクさんが話して、僕は笑って何も言えないこともありました(笑)。

 

思いきった演技を見て、元気になってほしい

―いつか演じてみたい役柄はありますか?

俳優として、いろいろな役をやりたいと思っています。『花が咲けば、月を想い』は明るい雰囲気のドラマだったので、次回作では、落ち着いていて暗くて重い、反対の雰囲気をお見せしたいです。

―日本の視聴者にメッセージをお願いします。

今回のドラマ『花が咲けば、月を想い』は、さまざまな僕の姿をお見せしたくて、思いきって演じました。気楽な雰囲気で、楽しい部分もたくさんある作品ですから、ぜひ楽しんでください。元気になれる作品なので、これを見て元気になってほしいです。応援してくださいね。ありがとうございました。

Photo: Daun Kim (STUDIO DAUN)

Profile ユ・スンホ 유승호
1993年8月17日生まれ。2000年にドラマ『カシコギ 父と子が過ごしたかけがえのない日々』でデビューし、映画『おばあちゃんの家』(02)などで名子役として活躍。2014年の除隊後は『リメンバー~記憶の彼方へ~』(15)『仮面の王 イ・ソン』(17)などで主演を務め、若手実力派として高い評価を獲得する。近年の代表作に『ロボットじゃない~君に夢中!~』(17)『ボクスが帰ってきた』(18)などがある。本作『花が咲けば、月を想い』は4年ぶりの時代劇となった。

「花が咲けば、月を想い」インタビューSP
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