ジュノ[2PM](『赤い袖先』)

ジュノ
INTERVIEW

2021年のMBC 演技大賞で8冠を獲得し、大きな話題を呼んだ『赤い袖先』(原題)。そのアンコール放送がKNTVで2022年6月26日(日)にスタートする。除隊後の復帰作にこの作品を選んだジュノ(2PM)は、名君イ・サンに新たな息吹を吹き込み、高く評価された。作品にかけた意気込み、撮影の舞台裏など、たっぷり語ってくれた独占インタビューをお届け!

全員が本気で臨んだ作品です
今、すごくわくわくしています

『赤い袖先』イ・サン役
ジュノ(2PM)

 

―KNTVで『赤い袖先』が日本初放送となります。今のお気持ちはいかがですか?

日本のみなさんにこのドラマを見ていただけるのがとても嬉しいです。久しぶりにお目にかかれる機会なので、ものすごくわくわくしていますし、たくさんの方に楽しんでいただきたいです。

―演じた役柄のご紹介をお願いします。

僕の役はイ・サン(のちの正祖)です。愛よりも国を優先した次期君主の切ないラブストーリーです。

―見どころを教えてください。

韓国の美しさ。画面の色彩ですとか、朝鮮時代の建築様式などが美しく表現されています。撮影時はいつも天候に恵まれたので、天高く澄みきった韓国の空の風景が見られると思います。それから昌徳宮で何度か撮影したのですが、当時の王様が歩いた場所を間接的に見られますし、その時代を感じられると思いますよ。

―ロケ地に行ってみたいところですが、今の状況だと残念ですね。

そうですね。龍仁〔ヨンイン〕にある大長今〔テジャングム〕パークというところで撮影したのですが、その撮影所はこれまでヒットした韓国の時代劇をたくさん撮影してきた場所です。コロナの状況が収まったら、遊びにいらして、このドラマに思いを馳せながら見ていただくのもいいかと思います。

―印象に残っている場面や台詞はありますか?

台詞に関しては、脚本家の方がとても美しい言葉で書いてくださったので、どれも記憶に残っています。今、この台詞が思い浮かびました。
「私がおまえに惑わされたのか、おまえが私に惑わされたのか」
これは撮影しながらときめいた台詞でもあって、いろんな意味が込められています。

赤い袖先

©2021MBC

 

自分と似た部分を見つけ、役に愛情をもてるように

―実在の人物を演じるのは初めてかと思いますが、難しさはありましたか?

やはり歴史上の人物ですし、なかでもすごく愛された人ですから、そんな王様を愛する方たちの気持ちを壊したくありませんでした。基本的には、正祖という王がもっているイメージを最大限に守ろうと努力しました。どんな人物だったか、残っている記録をベースにしつつ、そこに僕自身の性格を取り入れて最大限、写実的に描写したいと思いました。とても興味深かったのは、個人的な考えですが、その人物を勉強しながら自分と似た部分を見つけられたことです。それが演技に役立ちましたし、そのおかげで役柄により愛情をもつようになったような気がします。

―除隊後の復帰作ですが、演技や仕事に対する考え方などで以前と変化した部分はありますか?

いいえ、まったく同じです。心意気はいつも同じで、ベストを尽くすだけ。変わったことがあるとすれば労働環境くらいで、決められた時間内にだけ撮影するというのが初めてでした。以前は徹夜も多かったので、そういう部分が変わりましたね。演じる人物を最大限表現しようと思うのは今も昔も同じです。

―『シングル男のハッピーライフ』で右利きの練習していましたね(本来、箸などは左利き)。

箸使いが基本中の基本だと思って練習しました。ずっと左手で食べてきたものを右手で食べるのは容易ではありません。でも、そんな小さな習慣から一つずつ変えていくことは、難しくはありましたが、その人物に近づいていく気がして楽しかったです。また、世孫として常に正しい姿勢を維持するのが体力的に大変でした。東宮(世孫の部屋)で撮影する日はずっと同じ姿勢で座っていたり、英祖との場面では一日中ひざまずいていたり……。休憩時間もきつい姿勢を続けていました。大変でしたが、感情移入には役立つんです。僕はその姿勢こそがイ・サンの姿だと思いましたし、そういう揺るぎないキャラクターなのだと確信したので、普段からその姿勢でいる努力をしました。

―ほかにも王役を演じるにあたって準備したことはありますか?

まず乗馬を習いましたし、書道も習いました。話すときには落ち着いて話したり、声のトーンをもっと冷たく重みをもたせたり、それから動作も細かい動きをなるべくなくして、慌てずにゆっくりするなど、そういう部分に気を遣いました。正祖は文武両道な人物で、弓矢を射ることにも長けていました。なので弓の練習もしましたし、武術も練習しました。これまででいちばんいろんなことを習ったドラマでしたね。僕は何かをするとき、経験がなくて大変だったことはあっても、やってみて大変だったことはありません。どんなことも習いながら楽しむタイプです。乗馬は今後、趣味にしたいと思いました。武術も楽しかったです。箸使いだけはダメでしたけど(笑)。難しかったです。

©️Stream Media Corporation

 

リラックスして楽しく撮影。作品が認められて嬉しい

―イ・セヨンさんとの共演はいかがでしたか?

撮影現場でのサンとドクイムは劇中でご覧いただくままだと思います。設定も同年代でしたし。いつもリラックスして撮影できました。サンとドクイムとして8ヶ月を一緒に過ごしたので、自然にできあがった演技の呼吸だったのではないかと思います。

―喧嘩のシーンが微笑ましかったですが、アドリブはありましたか?

台本に内容がぎっしり詰まっていたので、基本的にアドリブを使う必要はありませんでした。台詞は決まっていても、シーンの中で呼吸を合わせてやりとりをする楽しみを感じましたね。でも終盤、2人の愛が実ったあたりの気軽に話す部分ではアドリブをたくさん入れています。

―入浴のシーンが話題を集めましたが、撮影時のエピソードを教えてください。

あの場面はスケジュールが2回ほど延期になったんです。厳しい食事制限を続けていたので1日も早く終わってほしかったのに……。なぜなら、ものすごくチキンが食べたくて(笑)。撮影日が決まると、その前日の朝から水さえ飲まなかったので喉も渇きました。そして当日は10時間くらい水の中にいたので、寒くて、疲れました。あんなに長く水の中にいたのは初めてだった気がします。

―10時間は大変でしたね。

スタッフの方がお湯を温めてくれたので、最初は温泉のような気分でした。入るなり汗が出てきてメイクが落ちたり、急に眠くなったり。セヨンさんが横で応援してくれました。チキンが待ってるからと(笑)。それで、撮影が終わると家に帰ってチキンとビールを注文したのですが、少ししか食べられませんでした。ものすごく疲れていましたし、ずっと制限していたので、すぐおなかがいっぱいになって。期待していた食事にはなりませんでしたね。撮影が終わってから2週間くらいは何も気にせずに食べましたが、今も食事制限は続けています。

―英祖役のイ・ドクファさんとのシーンはいかがでしたか?

大きな力になってくれましたし、撮影現場では「ずっしりした柱」であることをひしひしと感じました。ものすごいエネルギーを感じましたし、ありがたいことに、そのエネルギーを受けて僕もいい演技ができました。すごく学ぶことが多い先輩で、イ・ドクファさんのようになりたいとも思いました。

―制作発表では演技を絶賛されていましたね。

イ・ドクファさんが「真実味のある演技」と言ってくださり、あのあとも褒めてくださいました。すごく嬉しかったです。

―この作品はMBC演技大賞で8冠に輝き、ジュノさんは最優秀演技賞とベストカップル賞を受賞しました。おめでとうございます。

ありがとうございます。あんな素敵な場所に行けば、見込みはないとしても、期待したくなるのが人間だと思います。僕が賞をもらうのもとても感謝すべきことで嬉しいのですが、何よりも『赤い袖先』がたくさんの賞をいただき、認められたことに、とても喜びを感じました。僕は受賞コメントをまったく用意していなかったので、壇上で自分が何を話したかもよく覚えていません。

―高視聴率を記録し、1話延長となりました。愛された理由は何だと思いますか?

イ・ドクファさんがおっしゃった「本気度と真実味」ではないでしょうか。全員が本気で作品に臨み、その本気度を視聴者が理解してくださったんだと思います。そんな気持ちで制作する側と視聴者が生み出したものではないかと思っています。

―日本の視聴者にメッセージをお願いします。

KNTVをご覧のみなさん、こんにちは、2PMのジュノです。楽しく撮影し、心から愛情を込めて仕上げた作品なので、その気持ちが視聴者のみなさんにもお届けできたらと思います。このドラマをご覧になって幸せになっていただきたいです。ありがとうございました。

©️Stream Media Corporation

Profile ジュノ 준호
1990年1月25日生まれ。2006年にオーディションを勝ち抜いてJYPエンターテインメントの練習生となり、2008年、2PMのメンバーとしてデビュー。2013年の映画『監視者たち』以降は俳優としても本格的に活動し、『ただ愛する仲』(17)『油っこいロマンス』(18)『自白』(19)で主演を務めた。本作『赤い袖先』(原題)ではMBC 演技大賞の最優秀演技賞を受賞するなど、その演技が高く評価されている。

 

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