アン・ヒョソプ(『ホン・チョンギ』)

INTERVIEW

ファンタジーロマンス時代劇『ホン・チョンギ』(原題)の一挙放送がKNTVで2022年6月20日(月)よりスタートする。魔王の力を封印された盲目の青年に扮するアン・ヒョソプは、憂いのある、新たな魅力を発揮し、2021年のSBS演技大賞で優秀演技賞を受賞。キム・ユジョンとベストカップル賞にも輝いた。役作りや共演者とのエピソードなど、撮影の舞台裏を語ってくれた。

2人のすれ違う運命がどうひとつになるか
ぜひ序盤の出会いから注目してご覧ください

『ホン・チョンギ』ハ・ラム役
アン・ヒョソプ

 

―『ホン・チョンギ』の日本初放送がスタートします。今、どんなお気持ちですか?

心血を注いだ作品が日本で放送されると聞き、とてもわくわくし、緊張もしています。スタッフが一丸となって一生懸命に制作しました。準備した期間、積み重ねた努力、そして撮影した時間が、視聴者のみなさんの目にどう映るのかが気になりますが、楽しみながら見ていただけることを期待しています。

―演じた役をご紹介ください。

ハ・ラムという人物で、子どもの頃、雨乞いの儀式のときに悲運な事件によって視力を失います。その後、宮殿に入り、王室への復讐を目論みながら星座を読む書文観(朝鮮時代の気象庁)で働いています。

―この作品への出演を決めたきっかけは?

時代劇には以前から興味がありました。チャン・テユ監督の作品(『風の絵師』『根の深い木―世宗大王の誓い―』など)が好きなので、ご一緒できるのが光栄でしたし、どんな作品になるか、興味をもったのがいちばん大きな理由です。キム・ユジョンさんと共演できるのもとても嬉しかったです。

 

©️Stream Media Corporation

 

―この作品の見どころを教えてください。

ハ・ラムとホン・チョンギ(キム・ユジョン)のファンタジーロマンスです。序盤の2人の出会いを注意深く見ていただくと、より深く作品に入り込めるのではないかと思います。とても運命的な恋なんです。この2人のすれ違う運命が、どうやってひとつになっていくかという部分に注目してご覧いただくと、さらに楽しめるでしょう。

―役柄とご自身で似ている点、異なる点は?

ハ・ラムはとても器の大きな人物。我慢強い性格で、忍耐力があり、鋭い部分も持ち合わせています。僕はハ・ラムに比べるともうちょっと人間味がありますね。似ている部分があるとしたら、落ち着いていてクールなところだと思います。

―特に印象に残っている場面や台詞はありますか?

今ちょうど思い浮かんだ台詞があります。「すごく会いたかった」「だが私は今、おまえのそばに行けぬ」という台詞です。これは、ハ・ラムがホン・チョンギへの気持ちを表しているんです。

©SBS

 

―時代劇の初主演はいかがでしたか?

時代劇というのは、歴史的に存在した時代をフィクションとして創り上げた、また別の世界です。もちろん時代考証はありますけど、僕たちが実際にその時代を生きたわけではないですから。なので当時の話し方や行動などをどう表現するかが第一の悩みでした。当時の文化や思想は今とはかなり違いますから、歴史の勉強ももちろん必要です。やはり初めての挑戦だったので緊張しましたね。幸い、ユジョンさんは時代劇の経験が豊富ですし、チャン監督も時代劇を手がけてきた方ですから、いろいろなアドバイスと協力を得ながら演じました。

―衣装や言葉遣いも普段の撮影と異なると思いますが、どのような準備をしましたか?

台本を読みながらよく辞書を引きました。思ったよりも知らない単語がたくさん出てくるんです。衣装も、日常生活で韓服を着る機会はあまりないので、髪型や韓服に慣れるのに時間がかかりましたね。

―神秘的な赤い目が印象的でしたが、あれはコンタクトレンズなのですか?

BTSのVさんがつけたBTSレンズというのがあるんです。色はピンクなんですけど、それがCGでいちばん自然に映るそうで、常につけていました。それを8ヶ月も続けたので、かなり目に無理をしましたが、スタッフの配慮で休憩を入れたり目薬をさしたりしながら無事に撮影を終えました。

©SBS

―キム・ユジョンさんとの初共演はいかがでしたか?

ユジョンさんは俳優として大先輩。僕よりキャリアが長く、経験が豊富な方なので、共演はとてもありがたい機会でした。演技だけではなく人間的にも学ぶ点が多かったです。とても落ち着いていて話が通じる方なので、しっかりコミュニケーションをとりながら撮影を進めることができたのだと思います。

―キスシーンが話題になりましたね。撮影時のエピソードがあれば教えてください。

あれは確か……4月だったかな。僕の誕生日近くに撮影したのですが、ユジョンさんがサプライズケーキを用意してくれました。それから傾斜のある場所でキスシーンの撮影をしたんです。撮っているとだんだん顔が下がっていって、気づいたら傾斜で僕が滑り落ちていました(笑)。そんな大変さもありましたね。あの日は暑くも寒くもなく、楽しく撮影したのを覚えています。

―現場のムードメーカーはどなただったのでしょうか?

残念ながら僕ではありませんね(笑)。作品自体が深みのある内容だったので、撮影中もそれほど飛び跳ねるような軽い感じではありませんでした。それにもかかわらず、唯一、我らの光であるユジョンさんが、いつもエネルギッシュに現場を盛り上げてくれました。コンミョンさんもイタズラ好きで明るく、本当にありがたかったです。それから意外にもクァク・シヤンさんがふざけたりするんですよ。実際の性格はドラマに登場する姿とは驚くほど正反対。一緒にいると、いつも楽しかったです。

―最後に、日本の視聴者にメッセージをお願いします。

撮影をしたのはかなり前になりますが、ひさしぶりに『ホン・チョンギ』の話をしてみると、当時の記憶がよみがえり、わくわくしながら撮影したことを思い出しました。このわくわくした気持ちが日本のみなさんにも伝わってほしいです。『ホン・チョンギ』をどうぞお楽しみに!

©️Stream Media Corporation

Profile アン・ヒョソプ 안효섭
1995年4月17日生まれ。幼少期にカナダへ移住したが、17歳のときに単身帰国。2015年、『ポンダンポンダン 王様の恋』で俳優デビューを果たした。代表作に『タンタラ~キミを感じてる』(16)『30だけど17です』(18)『アビス』(19)『浪漫ドクター キム・サブ2』(20)などがある。

 

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