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チュ・サンウク(『太宗イ・バンウォン』)

INTERVIEW

朝鮮王朝の礎を築いた3代王・太宗〔テジョン〕=イ・バンウォン。その波瀾の生涯を描いた骨太な時代劇『太宗イ・バンウォン』でタイトルロールを担ったのはチュ・サンウクだ。数多くの俳優が演じてきた歴史上の人物を渾身の演技で体現。新たな代表作を手に入れたといっていいだろう。撮影現場の様子や作品の見どころを語ったもらった。

新たな役者人生が広がりそうな作品に出会えました
人間味のあるイ・バンウォンにこだわっています

『太宗イ・バンウォン』イ・バンウォン役
チュ・サンウク

 

―この作品への出演を決めたきっかけは何ですか?

イ・バンウォンという人物はダイナミックな人生を生きました。ドラマや映画でよく知られた人物ですが、この作品は、今までとは違う観点で、彼の人間的な姿や本当の権威を描いています。そして、そのイ・バンウォンというキャラクターに魅力を感じたので、出演を決めました。

―KBSで5年ぶりとなる時代劇の主演という大役です。どのようなお気持ちでしたか?

とても意味のある作品です。期待は大きく、そのぶんプレッシャーもありましたが、私の役者人生において記憶に残る作品になりましたから、すごく光栄なことです。

―そのプレッシャーはどのように乗り越えたのでしょうか?

共演者のほとんどがベテランの大先輩の方々で、その点でもプレッシャーを感じましたが、撮影現場に行くと先輩たちとはすぐに親しくなりました。むしろリラックスして楽しく撮影できたと思います。

―この作品の見どころを教えてください。

イ・バンウォンが登場するドラマや映画はたくさんありますが、イ・バンウォンの視点から描いた作品は初めてだと思います。人間対人間という部分に注目してご覧いただけると面白いと思います。

―これまでにたくさんの方がイ・バンウォン役を演じてきました。役作りで特に意識した点は?

これまでは断面的な部分を見せていたと思います。イ・バンウォンといえばカリスマ性があり、とても怖い人物というイメージが強くありますが、私は人間味のあるイ・バンウォンを見せることにこだわりました。

―イ・バンウォンには冷徹な野心家というイメージがありますが、実際に演じて、どんな人物だと理解しましたか?

孤独で、つらい人生だったと思います。見方によっては、天下をとり、すべてを手に入れた人物ですが、なぜあんなにつらい人生を選んだのかと思うほど、死ぬ瞬間まで孤独な人物だったと思います。でも、歴史に記録されていない部分ではきっと楽しい瞬間もあったのではないでしょうか。

©Stream Media Corporation

 

最初から最後まで重厚な印象深い作品

―印象に残っている場面や台詞はあります?

このドラマをうまく表現した言葉が台本にありました。「家を超えて国へ」。ある家族が平凡に始めたことが、最後には王となり、国家となる、これがまさにドラマ『太宗イ・バンウォン』だといえるでしょう。名場面だと思うのは最後の葬儀のシーンです。あんな経験は二度とできないだろうと思います。それから、序盤にあった夢のシーンも印象深く、馬に乗っていって兵士たちとぬかるみの中で戦うシーンが特に記憶に残っています。感情を込めたシーンはどれも印象に残っていますね。ドラマというのは、感情が高ぶるシーンばかりが続くわけではなく、軽いシーンもあるものです。ところが、この作品は最初から最後まで重くて真剣なので、なおさら印象深いのだと思います。

―妻役のパク・ジニさんとは以前にも共演していますが、再共演はいかがでしたか?

ジニさんとは10年ほど前にドラマで共演しました(2010年『ジャイアント』)。同い年でもあり、以前も現場で親しくさせていただき、再会できてうれしかったです。

―撮影風景を見ると、みなさん仲がよさそうでしたね。どんな現場でしたか?

撮影現場は活気にあふれていて、いつも楽しかったです。しかも地方で泊まりがけの撮影だったので、自然と一緒に食事をしたり、何かと一緒に過ごす時間が多かったんです。おかげですぐに親しくなれて、現場の雰囲気もよかったです。

12年ぶりの共演となったパク・ジニと夫婦役を演じる Licensed by KBS Media Ltd. ⓒ2021 KBS. All rights reserved

 

高く評価された演技に点数をつけると…?

―迫真の演技がとても印象的でした。撮影中はどのようにモチベーションを保つのでしょうか?

俳優にはそれぞれのスタイルがあります。例えば、バンウォンとミン氏(パク・ジニ)が山へ行って息子を埋葬する場面がありますが、ジニさんはそういった撮影の前にはひとりで引きこもって感情を調整するタイプです。僕はムードを作りながらスッと撮影に入るタイプで、それぞれのスタイルがありますね。

―撮影中でいちばん大変だったことは何ですか?

台詞を覚えることに尽きます。とにかく台詞が長い(笑)。王になってからは便殿〔王の執務室〕で座ったままずっと話します。前にいる臣下が代わっても、ひたすら話すのです。特別な方法はなく、ひたすら覚えるしかありませんでした。でも楽しく撮影しましたよ。

―この作品の演技が高く評価されましたが、ご自身で評価するなら10点満点で何点ですか?

難しいですね……。でも、7点以上はあげたいです。自分としてはよく頑張ったと思います。正統派時代劇ならではのトーンに戸惑った部分もありましたが、撮影を進めるうちによくなっていったので、9点でしょうか(笑)。

―本作がご自身に残したものは何でしょうか?

これからどんな作品と出会い、私の役者人生がどうなるかはわかりませんが、振り返ったとき、とても意義ある作品だったと思うはずです。新たな役者人生が広がりそうな作品に出会えたと思っています。

―今後の目標は?

年末に何らかの賞がひとつほしいなと小さな望みを抱いています(笑)。

―日本の視聴者に自宅でのオススメの過ごし方を教えてください。

最近はコロナ禍で家にいることが多いですが、ぜひ『太宗イ・バンウォン』をご覧になってください。時間があっという間に過ぎますよ。見はじめたら最後まで見ずにはいられなくなる、とても面白いドラマです。

―最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

KNTV視聴者のみなさん、このドラマはとても面白く、これまでとは一味違うドラマになると思いますし、私の新たな姿をお見せできる作品になるでしょう。『太宗イ・バンウォン』をたくさん応援してください。

©Stream Media Corporation

Profile チュ・サンウク 주상욱
1978年7月18日生まれ。1995年にデビューし、数々のドラマや映画で活躍。スマートな役どころが多いことから一時期は「室長専門俳優」と呼ばれたことも。『華麗なる誘惑』(15)で共演したチャ・イェリョンと2017年に結婚し、翌年、一児の父となった。代表作に『善徳女王』(09)『グッド・ドクター』(13)『不滅の恋人』(18)『タッチ~恋のメイクアップレッスン!~』(20)などがある。

「太宗イ・バンウォン」インタビューSP
チュ・サンウクが『太宗イ・バンウォン』の撮影エピソードを語る独占インタビューをお届け!

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